弱いつながりの強さを活かす
ある調査によると就職活動の際に決め手になった情報は、ほとんどの人が「たまにしか会わない、もしくはほとんど会わない」弱いつながりの関係から得ていたそうです。「頻繁に会う」関係から比較すると、その割合は8:2になるともいいます。
弱いつながりの人脈が「遠くにある幅広い情報を、効率的に手に入れる」ことに着目し、弱いつながりの力を顕在化したものです。
弱いつながりを活かして、カタチから入り広く浅く楽しむ。そこから強いつながりを上手に使い、深くゆっくりと味わい愉しむ。
俳人・松尾芭蕉が『去来抄』に残したところの「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」、つまり不易流行の心です。
芭蕉は「まずはあまねく詠みの根底に触れましょう」とするも、「時世のうつろいにも目配せしてね」とします。
江戸時代の前期となる、17世紀後半。弟子の曾良を伴い『おくのほそ道』の旅に出た芭蕉の時代とくらべ現代は
日常生活から時事問題まで、必要とされるアイデアの発見に創出を
その行動への落とし込みと、スピーディーに同時並行で実践することが求められています。
弱いつながりの強さを活かしてアイデアをキャッチし、強いつながりの役割を引き出しながらカタチにする。スーツのお仕立てを愉しむ、重要なポイントでもあります。
ひるがえって、在宅ワークにテレワーク。はからずも芭蕉が300年以上も前に実現していた観光地での休暇と業務を同時に行うワーケーションが注目される時代に
弱いつながりの強さを活かすことは、とても大事な視点のように感じられます。
9月に入り曇り空や雨が降る日は、少しづつ肌寒くなる季節がやってきています。
豊富な秋冬の新柄ファブリックを取り揃えて、皆さまのご来店をお待ちしております
オーダーサロン アスター店主
http://sebiro-aster.com/
写真のコートは、イングランド・サヴィルローの伝統を受け継ぐGLOREX。ブリティッシュテイストの高級服地を提供する、グロレックス社のカシミアによる逸品となります