ファッションの選択(チョイス・セレクト)について
ファッションでは、選択がとても重要な行動となります。このセレクトまたチョイスともいわれる選択のお話を、お届けします。
サスティファイシング(satisficing)という、ひとつの考え方があります。
「現時点で認知できる選択肢のなかから、とりあえず満足できるものをえらんでおく」。シンプルに記述すると、このような選択の方法です。
この選択にまつわる考え方は、意思を決定する者が「事前にすべてを知り、そのなかから自分の満足を最大化する選択肢を手にする」というマキシマイジング(maximizing)と対局をなすものです。
行動を起こす前に、いちばん望ましいとされる答えが見つかっているマキシマイジング。自分がおかれた現況で認知可能な選択肢を手に取り、とりあえず満足できる行動へと接続するサティスファイシング。
ともに似ているようで、外からでは窺い知ることが難しい人の内面で
「意思と行動」そのものに、大きな違いがあることがわかります。ちなみにサティスファイシングでは、その「意思と行動」を繰り返すというプロセスへ移行します。
翻って、ファッションで重要なアイテムの組み合わせ。ディテールの配置は、まさにサティスファイシングそのもののように感じられます。
つくるを愉しむスーツのお仕立ての際に、ご参考にしていただけましたらと存じます。
関連事項としまして、ご興味のある方は「組合せ爆発」や「無限の猿定理」などの用語にも触れてみてください